Star of Galaxy
「いいんじゃないの?元々隠し味で入れたんだから。気づかれないで。意識としては気づいてなくても、無意識の中の好きって感情は正直なんじゃないのかな」
って、福地さん。『無意識の中の好きって感情』かぁ。私に対して、そんな感情、弦希くんの中にもあるかなぁ。あるといいなぁ。
「それって、結構鈍い奴ってことですかね?」
って、弦希くんは面白そうに笑ってこっちを見てるけど、鈍いのは誰だーっ!
「そんなことないさ。ちゃんと好きな味ってわかってくれたんだから。茶美ちゃん、他のはどうだった?」
「ああ、他のは~」
それから、結局、一つずつ感想を言って解散となった。弦希くんは片付けてから帰るから『茶美はテスト週間なんだからちゃんと勉強しろよ』と先に帰された。
 レストランを出るとお父さんとおじさんがいつもの状態で将棋をしてるのが見えた。通りを横切り二人の所に歩み寄る。
「お父さんたちご飯食べたの?」
「ああ、食ったよ」
「で、またやってるの?」
「その通り」
「飽きないの?」
「好きな事はずーっとやってても飽きないもんさ」
「チャーミーも好きなのはずーっと飽きないだろう?」
「うん、まぁ・・・」
私は答えを濁しながら店の中に入る。まさかとは思うけどおじさん私がずっと飽きずに弦希くんのこと好きだって気づいてるんじゃないよね?
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