ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ーズキン……。

依織くんに目をそらされたことに鋭く痛む胸。

依織くん、すごく戸惑ってる……。

“依織くんと向き合う”なんて意気込んできたものの、私、依織くんの気持ち、全然考えれてなかった。

治療プログラムもまだ完全に終わってない依織くんにとって、私と会うことってすごく負担なことなんじゃないのかな……?

……なんて、よく考えれば分かったはずなのに。

ーギュッ……。

私は思わず俯きながら、痛む胸をこらえるようにカバンの持ち手を強く握った。

これって、ただただ依織くんを苦しめてるだけなんじゃ──────────

ートンッ。

…………へっ?

そこまで考えた瞬間、背中に何かが軽く触れた感触がした。

「恋々愛」
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