ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
⑥前に進む二人
◇依織side◇
ー2ヶ月前。
俺は電車とバスを何回も乗り継いで、地元から双葉町へと向かった。
大きなキャリーバッグを引きながら──────────
『こんな自分をどうにかしたい……変わりたい……恋々愛をもう二度と、傷つけたくない』
『それが、お前の本心なんだな』
……あの夜から早1週間、ついにこの日がやってきた。
“双葉町にDVを克服するための専門のクリニックがある。先生は少し変わってるが、実績も豊富で腕は確かだ。本当に変わる意思があるなら、ここで治療プログラムを受けないか”