ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
俺の話を一通り聞き終わると、今度は先生がゆっくりと口を開いた。

「藍澤を退学させるべきだという声も上がった。……だけど、警察に通報しないこと、他の生徒に知られないこと、それが桜川の願いだったから……藍澤の人生に傷をつけたくない、って……だから、俺たちも藍澤に今まで通り接した」

ポツ、ポツと、当時のことを思い出すように言葉を紡いでいく先生。

……なんとなく、自分でも気づいてたんだ。

俺が警察に突き出されないのは、恋々愛が止めてるからだ、って。

あの恋々愛のお母さんが理由も聞かずに転校させるわけないだろうし、となれば恋々愛は両親に打ち明けてるはずで……。

恋々愛の両親は本当に恋々愛のことを愛してる。

だから、俺が恋々愛にしてきた事を聞いたら、すぐに警察に被害届を出すはずなんだ。

俺のことも退学にさせてたはず。

なのに、俺は未だに捕まることなく平然とすごしていて……。
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