ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
付き合いたての頃は毎日のように見てたけど、いつしかそれは、ぎこちない笑顔に変わっていって。

俺の存在は、恋々愛の笑顔を消すものでしかなかったから。

……だから今は、自分の力で恋々愛の“ホント”の笑顔を引き出せたことが嬉しくて。

頬の緩みを抑えられない──────────

「依織くん、なんか変わったね」

一通り笑い終えたのか、恋々愛は目元の涙を拭いながらそう言った。

「付き合いたてのときとも違う、けど依織くんなのは変わらなくて……不思議な感じ」

そうやってニコニコと笑う恋々愛。

変わった、か……。

「そりゃ変わるだろ。主治医の先生が変わってるから」

俺は恋々愛の笑顔につられるようにふっと笑いながらそう返した。
< 1,058 / 1,130 >

この作品をシェア

pagetop