ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
『ゆーくん!』

あっ……。

再び聞こえてきた女の子の元気な声。

これ、私の声だったんだ。

誰かの名前を叫びながらブンブンと手を振って走っている私。

視線が低くて、声も今よりずっと高い……。

これは……小さい頃の私?

そう思った瞬間、周りのもの全てが一気に鮮明になる──────────

優しく頬を撫でる風、穏やかな陽の光、小鳥のさえずり……。

その何もかもがあまりにもリアルで。

『ゆーくん!』

この、早く“彼に会いたい”気持ちでいっぱいな心も。

『ここあ!』

駆け寄る私を振り返り、太陽のような眩しい笑顔を浮かべる男の子も。

これは夢じゃない。

これは……小さい頃の私の記憶だ──────────
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