ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「本当に、ありがとう」


この言葉に尽きる。

「ん」

優羅くんは私のお礼に顔を少し緩めながら短く返事を返すと、フライパンにサッとたまごとご飯を加えた。

ージューー……。

私たちを包むように沸き立つたまごのいい香り。

藍澤依織(あいつ)──────────」

優羅くんは手に持っていた器をシンクに置くなり、そっと口を開いた。

「恋々愛とちゃんと話せてから、前より順調にプログラムを進められてる。草葉先生も、このまま問題なく終わりそうだ、って」

そうなんだ……。

初めて聞いた、再会した後の依織くんのこと。
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