ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
だからせめて、残り僅かな時間、優羅くんがゆっくりできるように私がテキパキ片付けないと。

ーカチャカチャ……。

「いやぁ、やっぱり優羅くんってすごいよね! 難しめのコースだって余裕で1位だし」

ゲーム機を片付けながら、私はぼやぁっとさっきのレースを思い返した。

自分の操作に手一杯なくせに、隣の画面で繰り広げられる華麗な運転に、私は思わず目を奪われて。

優羅くんのレースはお手本のように的確で、それはもう見ていて爽快なほど。

「私もこのゲーム上手になりたいなぁ」

私も風磨くんみたいに優羅くんを楽しませたいよ……。

「じゃあ一緒に──────────」

「“風磨くん”、教えてくれないかな?」

なんて……、忙しい風磨くんにこんなお願い申し訳ないか。

って、……ん?
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