ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。

楓くん、寿々森さんのこと知ってるような口ぶり……。

もしかして寿々森さんと知り合いなのかな？

私は一人、情報量の多いこの状況を少しずつ理解していくのでいっぱいいっぱい。

「興味が湧くような子がいないだけ」

寿々森さんはポーカーフェイスのまま、楓くんのからかいもサラッと流す。

ーパンッ！

「さっ。あんたたちボケっとしてないでさっさと作業部屋に行きなさい。ショーまで時間ないんでしょ？」

場の空気を変えるように軽く手を叩き、凛音くんと寿々森さんをリビングの外へと促す真海さん。

作業部屋……？

真海さんの声に「はーい」と力なく返事をしながら、リビングから出ていく二人。

凛音くんたち、このアトリエでドレスを作るのかな？

階段を上る音……作業部屋とやらは２階？