ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
眉を寄せた苦笑いの慎吾ちゃんを見るのは初めてだった。

「だんだん上達してくると停滞期はつきものなんだけどね」

停滞期……なるほど、どおりで最近どことなく心ここに在らずって感じだったのか。

“凛音くんたちのためにも、頑張らなきゃ!”

数日前、そう言ってガッツポーズをしていた恋々愛。

一生懸命頑張ってるからこそ、苦しいよな……。

* * *

「今日は梓川くん居ないんだね」

森の中をゆっくりと歩きながら、薪小屋を目指す俺と恋々愛。

あくまで恋々愛はいつも通りを装ってるみたいで。

……でも、『どうかした?』とか『元気ない』とか言ったら、恋々愛はもっと気を遣うだろうし。
< 215 / 1,130 >

この作品をシェア

pagetop