ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
相変わらずってことは、昔からあんな感じだったのかな?

「だねー。全然教えてくれないなおくんの進路、聞けるチャンスだと思ったのにー!」

え……みんな、梓川くんの進路を聞こうとして盗み聞きを?

……絶対他にもやり方あったよね?

「あ、おばさん……」



やっと息を整えた私は、風磨くんが見つめる先にそっと視線を移した。

……あの人が、梓川くんのお母さん?

みんなの視線の先には、駐車場の方へ向かう女の人の後ろ姿があった。

キレイめで上品なワンピースに、高いピンヒール、サラサラロングのゆるく巻かれた茶髪に、セレブのようなつばの広い帽子。

車に乗り込むために、くるっとこちら側を向いたその人はとっても美人で……。

高校生……ましてや成人の子どもを持つ親とは思えないほどの若々しさがあった。
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