ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「桜川?」

お兄さんにお礼を言おうと口を開いたと同時に、それを遮った低い声。

誰かなんて見なくても分かる。

「梓川くん!」

私はイスから立ち上がって梓川くんの方を向き直った。

スタスタと悠然とした足取りで私の元へ歩いてくる梓川くん。

「奈雄輝!」

しかし、その言葉とともに立ち上がったお兄さんに気づくと、梓川くんの足は止まった。

梓川くん、すごく驚いてる……。

確かに、“どういう組み合わせ?”って感じたよね。

ペアの葵くんもいないし……。

「どうして兄貴が──────────」

「は~ずき~♪」
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