ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「あ……えっと──────────」

「えー! 奈雄輝たちも一緒に回るのー?」

えっ……。

何……その言い方。

明らかに不機嫌丸出しのお母さん。

そっと梓川くんを見上げれば、またあの寂しい目をしていて……。

やっぱり梓川くんの寂しい目の原因は……。

でも……どうして──────────?

「あ、あの……!! 私たち、見回り以外にも生徒会の仕事が残ってるので、お気持ちだけ有難く受け取ります! すみません!」

私はお兄さんにバッと勢いよく頭を下げ、梓川くんの背中を押して人混みの中へ。

お兄さんが私たちを呼ぶ声にも振り返らずに──────────

* * *

「桜川、もう大丈夫だ」
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