ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。

③庭園の美少年






♡恋々愛side♡

ーコンコンッ。

ん……。

軽快なノック音に、私はゆっくりと目を覚ました。

目を開けると大きな窓から陽の光が溢れていて。

朝、か……。

「桜川様、朝食の用意が出来ました。広間へお越しください」

「っ! ……は、はいっ!」

昨日のお手伝いさんらしき女性の声が聞こえてきて、私は飛び起きた。

そうだ、私、梅乃くんの家に泊まってたんだった!

飛び起きたと同時に視界に入ったドレッサーに映るのは、ボサボサ髪の私……。

()かさないと!

服も昨日のまんまだ!!

私はベッドから飛び降り、大慌てで荷物に駆け寄った。

そして鞄の中から服を取り出して急ピッチで着替え、ドレッサーの前で手早く髪を梳かす。

昨日、雅さんと話し込んで、そのあとすぐ寝ちゃったんだよね。

あぁ、早起きして準備万端にする予定だったのに目覚ましつけ忘れるなんて……。

ーコンコンッ。

「? はい!」

誰だろう?

……え、もしかしてさっきのお手伝いさん?

もしかしてあれからずっと待ってたりして!?

私は手に持っていたクシを置いて、大慌てでドアまで駆け寄った。

ーガチャ!

「ご、ごめんなさい!!」

謝罪の言葉とともに急いでドアを開けると、目の前にパアッと飛び込んできた真っ白で清楚なワンピース。

「恋々愛さん? おはようございます」

雅さんはいきなりの謝罪に目を丸くしてキョトンと首を傾げた。

お手伝いさんじゃなくて雅さんだったんだ。

「あ、お、おはようございます!」

「恋々愛さんが宜しければ、広間へご一緒させて頂こうと思いまして」

そう言った雅さんの顔は、いつの間にか柔らかな笑顔に変わっていた。

私と一緒に?

もちろん断る理由は何もない。

「はい! 喜んで!」

* * *

それから手早く身支度を済ませた私は、雅さんと朝食が準備されている広間へ向かった。

「あ! 恋々愛ちゃん! おはよー!」

広間に入るなり、私を見つけた林山くんは満面の笑みで大きく手を振る。

みんなもう来てたんだ。

広間には生徒会のみんなと梅乃くんのお姉さん、そして女の人が二人、すでに席に座って待っていた。

私が思うに、その二人の女性はきっと梅乃くんと雅さんのお母さん……。

上手の席はどちらも空席で、梅乃くんのお母さんらしき人、梅乃くん、梓川くん、梅乃くんのお姉さんと並んでいる。

向かい側には雅さんのお母さんらしき人、その隣に雅さんが座って、葉森くん、楓くん、林山くん。

そんな中、梅乃くんのお姉さんの小さな手招きに促された私は、梅乃くんのお姉さんの隣に座った。

「よく眠れた?」

私が着席したのを確認した後、お姉さんは優しい笑顔で私にそう尋ねた。
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