ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「はい!」
「あぁ、朝から恋々愛ちゃんの可愛い笑顔見られるなんて幸せ~」
その言葉にチラッと向かい側の席に目をやれば、頬杖をついてニコニコ笑顔を浮かべる林山くん。
な、なんて大袈裟な……。
林山くんは『可愛い可愛い』といつも直球に褒めてくれるけど、私は言われ慣れてないからどう返せばいいのか分からない。
どう応えるのが正解なんだろう……?
「恋々愛ちゃん、凛音のことは気にしないでいいから」
葉森くんは余裕な笑みを浮かべながら、軽く流すような対応。
その対応に林山くんはプクーッとほっぺを膨らませて。
ほんとに仲いいな……。
そんなやり取りにみんなが微笑ましくなって、広間がふわっと和やかな雰囲気に包まれた、その時──────────
ーガチャ。
賑やかな雰囲気は一変。
廊下の方から男の人が二人入ってきて、それと同時に広間はシンっと静まり返った。
このピリピリとした緊張感……ちょっと息苦しい。
入ってきた男性二人は向かい合ってテーブルの上手側に座る。
「みんなよく来たな。久々に見ると本当に大きくなったもんだ」
梅乃くんの2つ隣に座った少しタレ目がちな男の人はそう言いながら目を細めた。
きっとこの人が梅乃くんのお父さん。
梅乃くんに似てる……けど、笑顔がちょっと怖い……。
梅乃くんのお父さんは感心するように生徒会のみんなをー通り見回したあと、端に座る私に目をとめた。
「優羅、そちらのお嬢さんは?」
明らかに少し不機嫌になった梅乃くんのお父さん。
そりゃそうだよね……。
幼なじみの彼らに混じって知らない女の子が一緒に来てるんだから。
それに今日は雅さんとの婚約の式典。
……タイムリーすぎる。
「僕のクラスメイトで特別寮の寮生である桜川さんです」
「クラスメイト……まさかそのお嬢さんもしかして──────────」
「ただのクラスメイトです」
お父さんの疑うような言葉をキッパリと否定する梅乃くん。
疑わなくても、さすがにここにこのタイミングで彼女は来ないだろうに。
針のむしろだもの……。
梅乃くんの断言に安心したのか、梅乃くんのお父さんは私にニコッと微笑みかけた。
私は慌ててそれに微笑み返す。
……が、ぎごちない。
たぶん作り笑いなのがバレバレだ。
「それでは改めて自己紹介でもしましょうか。優羅」
お父さんの呼びかけに梅乃くんはイスを引いて立ち、一礼。
庶民の私にはあまりにも、目の前の光景が見慣れなくて、居た堪れない……。
「梅乃優羅です。よろしくお願いします」
うわぁ……。
あのマイペースな梅乃くんとは思えないほどのスマートさ。
なにより、爽やか……。
梅乃くんが再び軽く頭を下げ、イスに座り直したと同時に今度は雅さんが席を立つ。
「お招きいただきありがとうございます。
月武雅と申します。よろしくお願い致します」
丁寧な言葉遣いと振る舞いに、身分の違いを思い知る。
こんなにも住む世界が違うんだ……。
同じ空間にいるのに、梅乃くんと雅さんが遠くに感じる。
「それでは朝食を頂きましょう」
雅さんが席に座るなり、梅乃くんのお父さんはそう言って半熟の目玉焼きを切り始めた。
それに続いてみんなも朝食を食べ始める。
「いただきます」とか言わないんだ……。
林山くんの元気な声に続いて「いただきます」をして、男子高校生らしいガッツキを見せていたみんなが今日は無言のまま静かに食べ進めていて……。
「あぁ、朝から恋々愛ちゃんの可愛い笑顔見られるなんて幸せ~」
その言葉にチラッと向かい側の席に目をやれば、頬杖をついてニコニコ笑顔を浮かべる林山くん。
な、なんて大袈裟な……。
林山くんは『可愛い可愛い』といつも直球に褒めてくれるけど、私は言われ慣れてないからどう返せばいいのか分からない。
どう応えるのが正解なんだろう……?
「恋々愛ちゃん、凛音のことは気にしないでいいから」
葉森くんは余裕な笑みを浮かべながら、軽く流すような対応。
その対応に林山くんはプクーッとほっぺを膨らませて。
ほんとに仲いいな……。
そんなやり取りにみんなが微笑ましくなって、広間がふわっと和やかな雰囲気に包まれた、その時──────────
ーガチャ。
賑やかな雰囲気は一変。
廊下の方から男の人が二人入ってきて、それと同時に広間はシンっと静まり返った。
このピリピリとした緊張感……ちょっと息苦しい。
入ってきた男性二人は向かい合ってテーブルの上手側に座る。
「みんなよく来たな。久々に見ると本当に大きくなったもんだ」
梅乃くんの2つ隣に座った少しタレ目がちな男の人はそう言いながら目を細めた。
きっとこの人が梅乃くんのお父さん。
梅乃くんに似てる……けど、笑顔がちょっと怖い……。
梅乃くんのお父さんは感心するように生徒会のみんなをー通り見回したあと、端に座る私に目をとめた。
「優羅、そちらのお嬢さんは?」
明らかに少し不機嫌になった梅乃くんのお父さん。
そりゃそうだよね……。
幼なじみの彼らに混じって知らない女の子が一緒に来てるんだから。
それに今日は雅さんとの婚約の式典。
……タイムリーすぎる。
「僕のクラスメイトで特別寮の寮生である桜川さんです」
「クラスメイト……まさかそのお嬢さんもしかして──────────」
「ただのクラスメイトです」
お父さんの疑うような言葉をキッパリと否定する梅乃くん。
疑わなくても、さすがにここにこのタイミングで彼女は来ないだろうに。
針のむしろだもの……。
梅乃くんの断言に安心したのか、梅乃くんのお父さんは私にニコッと微笑みかけた。
私は慌ててそれに微笑み返す。
……が、ぎごちない。
たぶん作り笑いなのがバレバレだ。
「それでは改めて自己紹介でもしましょうか。優羅」
お父さんの呼びかけに梅乃くんはイスを引いて立ち、一礼。
庶民の私にはあまりにも、目の前の光景が見慣れなくて、居た堪れない……。
「梅乃優羅です。よろしくお願いします」
うわぁ……。
あのマイペースな梅乃くんとは思えないほどのスマートさ。
なにより、爽やか……。
梅乃くんが再び軽く頭を下げ、イスに座り直したと同時に今度は雅さんが席を立つ。
「お招きいただきありがとうございます。
月武雅と申します。よろしくお願い致します」
丁寧な言葉遣いと振る舞いに、身分の違いを思い知る。
こんなにも住む世界が違うんだ……。
同じ空間にいるのに、梅乃くんと雅さんが遠くに感じる。
「それでは朝食を頂きましょう」
雅さんが席に座るなり、梅乃くんのお父さんはそう言って半熟の目玉焼きを切り始めた。
それに続いてみんなも朝食を食べ始める。
「いただきます」とか言わないんだ……。
林山くんの元気な声に続いて「いただきます」をして、男子高校生らしいガッツキを見せていたみんなが今日は無言のまま静かに食べ進めていて……。