ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ーギシッ。



ベランダの柵に手をついて花火を見上げていた私は、突然隣に現れた気配に、そっと高い顔を見つめた。

私の隣には梓川くんが私と同じように柵に腕を乗せて花火を見上げていて……。

「……桜川のおかげで、あいつらに言うことができた」

「へっ?」

花火を見上げたまま、そう放たれた言葉に、私は首を傾げる。

あ……お昼のこと、かな?

でも、私のおかげって……。

「私、何もしてないよ?」

思い返してみても、心当たりが1つもない。

私の返答に、梓川くんはゆっくりと私を見下ろした。

「目標を目指して頑張る人はすごく輝いてて……カッコイイんだろ?」
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