ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「あ……」

優しく微笑む梓川くんの顔が花火の明かりで妖艶に照らされる。

それ、私がこないだ言った……。

……覚えててくれたんだ。

「緊張したけどな」

「えー! それは嘘だよ! だって梓川くん、みんなにサラッと言ってたもん」

日常会話的な感じで言ってたし、緊張してるなんて微塵も感じなかった。

「俺があからさまに緊張してたら、あいつら気遣うだろ」

あ……そういうこと……。

確かに梓川くんが緊張してたら、みんな焦り出しそうだよね。

「案外、普通の反応だったな。兄貴のことも何も言われなかったし」

私はそっと、ベランダのベンチに座って何やらわちゃわちゃしているみんなに視線を移した。
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