ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
私はボーっと遠くの方を見ながら首を傾げる。

……私、得意なものって……。

「ない、かな……全部同じぐらい?」

「オールラウンダーなわけだ! 羨ましい」

優しく笑って褒めてくれる風磨くん。

「あ、でも、明らかに世界史は他のより20点近く低いかな……」

「へぇ、そうなんだ……世界史なら奈雄輝に聞いたら─────」

「風磨、そのくだり昼間したから」

楓くんは風磨くんの言うことを察して、すぐさま遮った。

「じゃあ、涼が凛音に教わる不思議な光景も見た?」

キョトンと首を傾げながら私に問いかける風磨くん。

風磨くん、それは……!!

「ふーくんってば! 傷つくんだけど!!」
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