ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。

フィナーレに近づくにつれて乱れ打ちする花火の音に負けじと激しく暴れ出す鼓動。

「ま、またっ、からかってるの？」

私は緊張を誤魔化すように「ハハ」っと軽く笑った。

だって優羅くん、この間も「可愛い……その服」とか意地悪な言い回ししてたし。

また意地悪しようとして──────────

「恋々愛の笑った顔、可愛い」

っ！！

ーバーン！！

──────────……。

「おぉ！！ やっぱ最後の花火はめちゃめちゃ大きかったね！」

「今年の夏も悔いなしだね」

「花火も終わったことだし、早く中入ろーぜ。暑い」

大きな花火が打ち上げられ、その余韻も消えると、みんなゾロゾロとベンチから立ち上がった。