ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
これで「帰る」なんて言われたらもう──────────

「あー……そういうことなら俺ら先帰るわ」

…………え?

たどたどしい声にふと視線を向ける。

「凛汰、明日詳しく教えろよ!」

何かを察したような凛汰くんの友達たちはニヤニヤと怪しげな笑みを浮かべていて。

「ごゆっくり~」

「じゃあな、凛汰!」

そしてヒラヒラと手を振りながらバス停のある方向へと足早に去っていった。

校門の前には私と凛汰くんの二人きり。

これってもしかして……。

私、引き止め成功したんじゃ──────────

「どうしましたか?」

「……あ」
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