ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ーギュッ。

差し出されていた風磨くんの大きな手が戻されかけた、その時。

私は咄嗟にその手を握った。

「……する。マッサージ」

これが、今の私にできることだから。

いつも助けてくれる風磨くんを少しでも助けられれば……。

私はゆっくりと風磨くんの手のひらをマッサージし始めた。

「……恋々愛ちゃん、大丈夫なの?」

眉根を寄せながら心配そうにそう尋ねる風磨くん。

風磨くんが言いたいのは、きっと手を触ってることについてだよね……。

「生徒会のみんなは大丈夫になったと思う。……みんなに触ったわけじゃないから、確信はないけど」

今でももちろん初対面の男の人は怖い。
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