ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
……あれ?

風磨くんの手に集中していた視線をそちらに向ければ、風磨くんの頭がコテンと垂れていて……。

腕もいつの間にかだらんと脱力されている。

耳を澄ませばスースーと規則正しい寝息が聞こえてきた。

風磨くん、寝てる……。

毎日バイト三昧で疲れも溜まってるんだろうなぁ。

私はマッサージしていた風磨くんの手を元の位置に戻して、ソファにかけてあったブランケットをそっと風磨くんにかけた。

ちゃんと学校も遅刻せずに行って、バイトも夜遅くまでして。

風磨くんはこのままずっと、この生活を続けるのだろうか……。

もしおばあちゃんの入院が長引いて、入院費も実家の兄弟の生活費も足りなくなってきたら──────────

端正な顔にできた不釣り合いなクマを見つめながら、私の脳裏には嫌な予感がよぎる。
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