ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
今度は優羅くんが沈黙を破った。

「好きな人がいる。ずっと片想いしてる人」

あっ……。

懐かしむような、その人のことを思い浮かべているような優羅くんの瞳は切なくて。

その横顔に胸がギューッと締めつけられる。

昨日、楓くんがリビングで言ってた人かな……?

「昨日、聞いてたんでしょ?」

ーギクッ。

や、やっぱりバレてた……!!

うんともすんとも答えられなくて、私はギュッと口を噤む。

しかし、優羅くんは特に私を(とが)めるわけでもなく、ただただキレイな庭園をジッと見つめたまま。

その人のことを考えているのか、いつもと変わらないポーカーフェイスのようだけど、どこか雰囲気が柔らかく感じる。

「その人のことは、いつから……?」

「幼稚園」
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