ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「楓くん、運んでくれてありがとう」

「別に俺が勝手にしただけだし。お礼とかいらないから」

そう言って手についたホコリを叩くなり、化学室を出る楓くん。

楓くんってホントは優しいんだよね。

それを超えるぐらいの意地悪も言うけど、なんだかんだいつも優しい。

「早く来いよ」

……え?

私は目をぱちぱちさせながら楓くんを向き直る。

早く来い……とは?

「帰り道同じなんだし。お前今から帰るんだろ? 帰り道間違えないよーに連れて帰ってやるよ」

なっ!!

出た、俺様スマイル。

いつでも楓くんは上から目線の俺様だ。
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