ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
意外……って言ったら失礼かもだけど、幼稚園生の優羅くんが一目惚れって考えたら可愛いかも。

優羅くんはお庭に咲く大輪の花たちを見つめて目を細めた。

その頃のことを思い出してるのかな?

だって優羅くん、すごく優しい顔してる。

その頃を懐かしんでるように。

「その子、今は……?」

優羅くんが一目惚れする女の子、少し気になる……。

できるなら、この婚約を阻止して、優羅くんにはその子と幸せになってもらいたい。

優羅くんは花たちに向けていた切ない眼差しをゆっくりと私の方へと向けた。

「……さあ」

「そっ、か……」

優羅くんの切ない声にギューッと胸が締めつけられる。
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