ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。

反対側からは凛音くんが大きな花びらの白い花を持ってきて。

どっちも私に似合うなんて全然だよ……。

風磨くんと凛音くんの言い合いを横目に、私は一番注視していた人を目で追った。

あっ……。

私の見つめる先には、真剣に花を選ぶ楓くんの横顔。

しかも手に取っているのはユリの花ばかり。

なんだろう……普段の楓くんからしたら意外なのに、なぜか花を持つ姿が似合う。

数分の熟考の末、白いユリを何本か手に取ってフローリストさんに包んでもらう楓くん。

ユリの花、好きなのかな？

それとも誰かへのプレゼント？

「終わった」

「おう……じゃ、行くか」

風磨くんたちは楓くんが買い終わったのを合図に手に持っていた花を戻してお店を出た。