ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
“百合”っても呼んでるし、友達なのかも……。

「俺たちのせいで女子から標的にされてんのに、黙って見てられないだろ。お前が嫌がらせ止めれば済む話なんじゃねぇのかよ」

「っ……」

楓くんの言葉にぐっと押し黙る城本さん。

重すぎるこの空気……。

早くこの場から逃げ去りたい……。

「……それでも、私はあの子が特別寮から出ていくまで辞めないから」

え……楓くんに宣戦布告しちゃうの!?

どういう状況?

だって好きな人にそんなこと言ったら、逆効果なのに。

「お前なんでそこまですんだよ」

「だって……涼くんのこと好きだから……私、諦めないからね」

呆れた楓くんと対照的に、意思が固そうな城本さんはそれだけ言い残して教室を後にした。
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