ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
先に日誌……いやいや、それより先にチョークの粉拭かなきゃ!

* * *

「失礼しました」

全ての日直の仕事を終えて、藤崎先生に日誌を渡した頃にはもう6時を回っていた。

ーバタン……。

職員室のドアをそっと閉めて、くるりと振り返る。

「早く帰るぞ」

楓くんは大きなあくびをしながら私にそう言った。

そう……あれから楓くんはなんだかんだ他愛もない話をしながら私が日誌を書き終わるまで待っていてくれたのだ。

やっぱり楓くんは優しい。

特別寮への帰路を、街灯の灯りを頼りに2人並んで歩く。

少し前にいる楓くんはいたっていつもと同じようで。
< 504 / 1,130 >

この作品をシェア

pagetop