ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「う、うん……それはもう、ほんとにごめんなさい……」

「いやそうじゃなくて」

楓くんは真っ直ぐに私の瞳をとらえた。

楓くん、すごく真剣な顔……。

「城本が言ってただろ。嫌がらせやめないって」

あぁ、そのこと……。

「城本は百合の一番の親友だったんだ。……何を思ってか、俺が百合のこと忘れてしまってると思ってる」

楓くんはそう言うと自嘲気味に笑った。

だけど、その瞳は悲しそうで……。

そんな……違うのに。

楓くんは百合さんのこと忘れてなんかない。

百合さんのお墓を見つめる優しい顔……。

むしろ、きっと今でも百合さんのことが好きだよ。
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