ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
っ……!!

頭に優しく触れた手の感触に、涙を拭おうとしていた手がピタッ止まる。

こ、これ……。

ードクンッ。

そのままポンポンと優しく私の頭を撫でる楓くん。

「泣くなよ。お前に泣かれると、どうしたらいいか分からなくなる」

楓くんの困ったようなその声に、そっと楓くんの顔を盗み見るけど、楓くんはそっぽを向いていて表情を伺うことが出来ない。

こ、こんなことされたら、ドキドキして涙も引っ込んじゃうよ。

顔が熱い……。

「おい、涼。抜け駆けすんなよ」

ービクッ!

突然背後から聞こえてきた声に、私はビクリと肩を揺らす。
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