ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
さっきの楓くんみたいだ。

「うん!」

そんな城本さんを安心させるべく、笑顔で頷けば、城本さんもどこかホッとしたような顔をうかべた。

「じゃあ、俺たち先に行ってるね」

みんなも城本さんのいつもと違う雰囲気を察したのか、そう言ってクレープの出店の方へと歩いていった。

文化祭も終わりがけで、お昼時に比べて人通りが少なくなった廊下は、私と城本さんの二人きりと言っても過言じゃない。

静かな廊下で、意を決したように私を真っ直ぐに見つめる城本さん。

いつも私を見る時の目は鋭いけど、今はとても自然な感じだ。

「……ごめんなさい!」

っ!!!

城本さんは謝罪の言葉とともに勢いよく私に頭を下げた。
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