ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「だだ、大丈夫だから! 頭上げて!」

人通りが少ないとはいえ、ちらほら生徒はいるし、人通りが少ない廊下はとても響く。

さっき、私に謝られて、楓くんもこんな気持ちだったのかな……。

勢い余って謝る気持ちはすごくよく分かるけど、廊下だと少し恥ずかしい。

城本さんはそっと頭を上げると、再び私を見つめた。

「いままで、散々嫌がらせしてきたくせに、急に謝られても、は?って感じだよね……」

城本さん……。

自嘲気味に笑うその姿に、胸がキューッと締めつけられる。

城本さん、本当に反省してるんだ。

眼差しからも言葉の語気からも、彼女の本気度が伝わってくる。

「百合のこと、知ってるんでしょ? 百合と私が友達だったってことも」

「うん……」
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