ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ードクンッ。

耳にたこができるほど聞き慣れたこの声。

心臓が握りつぶされるような感覚。

私は彼の優しい声にそっと彼を見上げた。

この笑顔も、どれだけ見慣れたことか……。

「今日はほんとにここに通っているのか確かめに来ただけだから。……今度迎えに来るから、準備しとけよ」

彼は優しい笑顔でそれだけ言い残すとくるりと踵を返して、人混みに消えていった。

……帰っ、た……?

ーフラッ。

「恋々愛!」

安堵からなのか何なのか、思わず力が抜けて再び崩れかけた私をギュッと支える優羅くん。

どうしてここに通ってることがバレたの……?

迎えにくるってなんの話……?
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