ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
視界の端でサラリーマンらしき中年男性の手首を掴んで電車を降りる人影を捉えた。

何事……?

ホームの明かりが照らす、無造作にセットされた神々しい金髪。

後ろ姿だから顔は見えないけど。

あのブレザー……私と同じ。

恐らく同じ桜庭学園の生徒であろう金髪男子が乱暴に手を離すと、サラリーマンは痛そうに掴まれていた手首をさすった。

「白昼堂々、痴漢とはいい度胸してんじゃん」

あ……この声……!

さっき電車を降りる直前に聞いたあの声と同じ!

それに痴漢って……。

じゃ、じゃあ、もしかして、私のおしりを触ってたのはあのサラリーマン!?

驚いて見つめる私の視線に気づいたのか、そのサラリーマンは私を見てニヤリと顔を緩ませた。
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