ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
目が合うとドキッと胸が呼応して、彼にそれがバレないようにすぐに逸らして。

話すことはなくても、すれ違うだけで、目が合うだけで、彼の姿を見るだけで……。

私の気持ちはどんどん募っていった──────────

「俺……桜川のことが好きだ」

……え?

金髪の彼─────藍澤(あいざわ)依織(いおり)くんに思いを馳せ続けること3ヶ月。

外から聞こえるセミの声が妙に響く誰もいない教室で、私は彼を前に呆然と立ち尽くしていた。

嘘……こんなこと、ある……?

目の前で頬を少し赤く染めながら、私を真っ直ぐに見つめる彼。

「藍澤くん……」

ようやく状況が呑み込めた私の心臓は激しく暴れ出す。
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