ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
あまりの迫力に足が(すく)んでしまう。

心臓の鼓動が早くなって息苦しくて。

……それでも伝えたい。

楓くんたちの想いも、優羅くんの想いも、雅さんの想いも。

みんな操り人形なんかじゃなくて、しっかりと意志を持った人間だから。

「結婚のことも……二人とも純粋な想いを抱えているのに、それを諦めて自分の気持ちを押し殺してる。そんな二人を見て、どうも思わないんですか……?」

大切な彼を想う雅さんのあのはにかんで照れた横顔。

片想いの相手のことを話してる時の優羅くんのあの優しい顔……。

二人の真っ直ぐな気持ちを思い出すと、胸が締めつけられて、涙が出そうになる。

……だけど、私の訴えは優羅くんのお父さんには響かなくて──────────

「いままで育ててきたんだ! そんな親の願いを受け入れて従うのが筋だろ。これだから、高校生の生ぬるい考えは……」
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