ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
思い出したら涙が出そうになったけど、ぐっとこらえて最後まで話しきった私。

「だから高3で転校してきたんだな」

「うん……」

納得がいったように言った楓くんの言葉に、私はコクンと頷く。

みんな……どう思ってるんだろう?

私は依織くんが怖くて別れを切り出せずに、依織くんの前から逃げ出した弱虫。

みんなにあれほど言いたい放題言ったのに、当の私はずっと逃げていて……。

都合良すぎるよね。

私は膝の上でギュッと拳を握りしめる。

「恋々愛」

ービクッ。

突然呼ばれた名前に、私は肩を揺らしながらもそっと顔を上げた。

対して優羅くんは真っ直ぐに私を見つめていて。
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