ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「……ごめん」

……へ?

謝罪の言葉とともに頭を下げた優羅くんに、私の頭上には“?”が浮かぶ。

どうして……?

優羅くんが謝ることなんて何も無いのに。

「そんな状況にいた恋々愛に、男ばかりのこの特別寮で一緒に暮らそうなんて」

あっ……そのこと……。

『一緒に暮らそう』

転校初日に優羅くんが私にそう言ってくれた時のことを思い返す。

「優羅くん、顔上げて?」

優羅くんはゆっくりと顔を上げると、不安げに揺らぐ瞳で真っ直ぐに私を見つめた。

この目……。

優羅くんのこの不安げな瞳を見ると、いつも苦しくなる。
< 622 / 1,130 >

この作品をシェア

pagetop