ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ぐすんと鼻をすすりながらみんなを見つめる。

みんなのこの優しい笑顔……。

私はこんな素敵な人たちに囲まれてたんだと改めて実感する。

私、幸せだ……。

「じゃあ、恋々愛ちゃんの事情も聞いたことだし、本題だね。……これからどうする?」

核心をつく風磨くんの一言に、みんなの顔は真剣な面持ちへと変わる。

どうするって、きっと依織くんのことだよね……。

依織くんが去り際に言った“迎えに来る”が、ずっと胸に引っかかったまま。

また来るってことだよね……?

さっきのことを思い出すと、一気に不安が押し寄せてくる。

……また、あの生活を繰り返すの?

彼に縛られた鳥籠(とりかご)みたいな生活を……。

私はギュッと拳を握りしめた。

「それなんだけど……」



シーンと静まり返った重たい沈黙を破ったのは楓くん。

何かいい案が思いついたのかな?

私たちは楓くんの口から発せられる言葉に耳を傾ける。

「あのさ──────────」





< 626 / 1,130 >

この作品をシェア

pagetop