ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
聞き覚えのある声に振り返れば、そこには思った通り優羅くんの姿があった。

優羅くんはゆっくりと私たちの横を通り過ぎてお父さんのところまで向かう。

その、すれ違う一瞬の出来事──────────

……あっ。

一瞬だけ、優羅くんとバチッと目が合った。

その瞳は強い意志を感じるキレイな瞳で……。

「父さん」

「優羅、どうした?」

優羅くんがお父さんの元までたどり着く頃には、お父さんは今までの私たちへの態度とは一変、穏やかな表情を浮かべていた。

しかし、そんなお父さんの穏やかな表情もすぐに一変──────────

「優羅っ!?」

優羅くんがお父さんにスッと頭を下げたから。
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