ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
僕がそっと恋々愛ちゃんの手からヘアゴムを受け取ると、恋々愛ちゃんはルンルンでくるっと僕の方へ背中を向けた。

……いや待って。

やるとは言ったものの、この状況って──────────

目の前にはセミロングのサラサラな黒髪。

嬉しいけど……嬉しいんだけど!!

心臓がバクバクと暴れ出す。

髪を触るだけでこんなにドキドキするなんて情けない……。

僕はスーッっと気づかれないように深呼吸をしてなんとか心を落ち着かせる。

……大体、僕の心臓が持つかとかそーゆーことより、恋々愛ちゃんが喜ぶ方が大事だし。

よしっ……。

意を決して、僕はそっと恋々愛ちゃんの艶やかな黒髪に触れた。

っ……!!
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