ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「ほんとに凛音くんってすごいよね。尊敬する」

少しこっちを振り返って、ニコニコ無邪気な笑顔の恋々愛ちゃん。

尊敬って……。

「そんなに大した人間じゃないよ」

「ほんとにすごいよ! 凛音くんの彼女さんなら毎日ヘアアレンジしてもらえるから幸せだね」

ーピタッ。

恋々愛ちゃんの無邪気な言葉に、編み込みをしていた手が思わず止まる。

何それ……。

僕の気持ちを知らずに無邪気に言うあたりが、ほんとに小悪魔だと思う。

“じゃあ僕の彼女になる?”なんて、もう言えないし。

……もう、そんなに軽々しく冗談で告白できるほど僕には余裕がない。

僕は止まっていた手をなんとか動かして、編み込みを完成させた。
< 655 / 1,130 >

この作品をシェア

pagetop