ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
……にしても。

隣をトボトボと歩く小さな体をそっと見下ろす。

俺の番まで恋々愛ちゃんの心奪うとか、悔しすぎるんだけど。

今この時間は……俺と恋々愛ちゃんの二人きりのこの時間だけは、俺が恋々愛ちゃんの心まで独り占めしたい──────────

「恋々愛ちゃん」

ークイッ。

「っ!? ふ、風磨くん!?」

俺は、名前を呼ばれて立ち止まった恋々愛ちゃんの顎をクイッとすくい上げた。

突然のことに驚いたように目を大きくして俺を見上げる恋々愛ちゃん。

そう……俺だけを見ててよ。

今だけでいいから。

「そんな暗い顔、恋々愛ちゃんには似合わないよ」
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