ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
「……へっ?」

……けど、そんな笑顔で好きとか言われたら抑えきれなくなる。

想うだけ……なんて、無理だったんだ。

こんなの抑えきれるわけが無い。

「えっと……私、フレグランス使ってないかららきっと柔軟剤とか洗剤とかの匂いだと──────────」

「ちがう……」

恋々愛ちゃんの答えをそっと否定する俺に、またまた首を傾げていて頭上に“?”を浮かべる恋々愛ちゃん。

俺が好きなのは、匂いだけじゃないんだ。

小さな体も、可愛い声も、くるくる変わる表情も、真っ直ぐで純粋な心も全部……。

全部なんだよ。

「ふぅ……」

俺は静かに息を吐いて、そっと心を落ち着かせる。
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