ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ごめんってことは、きっとあの夏祭りでの現場を見たんだろう。

まぁ、人気(ひとけ)がなかったにしろ、グラウンドと校庭は繋がってるから誰にでも見られてしまうリスクはあったんだけど……。

まさか桜川に見られてたとは……。

「ごめんなさい……見るつもりは無かったんだけど、ちょうど告白してるところで……」

眉を下げながら桜川は俯きがちに白状した。

桜川は好き好んで人の告白現場なんて見るやつじゃないってことぐらいわかってる。

だからきっとたまたま通りかかりでもしたんだろう。

「わかったから、もうそんな顔するな」

桜川のそんな悲しい顔は見たくない。

あの眩しいぐらいの笑顔が見たいんだ。

「うん……」

渋々といったように頷いた桜川は、まだしょぼんとしたまま……。
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