ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
『あー! しばちゃんだ!!』

公園によく散歩に来るおじいさんとまだ小さな柴犬。

遊具を放り出して一目散に柴犬の元へと駆けていっていた小さな背中。

『しばちゃん、今日もお散歩に来たのー? ……ふふっ、くすぐったいよー!』



……あの頃の俺はまだ幼かったから、柴犬は俺から恋々愛を奪っていくライバルだと思っていた。

毎回毎回恋々愛の心を奪うだけじゃなく、ペロペロと顔を舐めまわして……。

幼心ながらに柴犬にヤキモチを妬いていた。

だけど今は、恋々愛を気分転換させるには俺なんかよりよっぽど適任だから。

ここしかない。

「うん、大好き!」

っ……!
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