ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ボーッと恋々愛に見とれていると、突然隣から小さな衝撃に襲われる。

勢いよく衝撃の元を振り返れば、黒色の豆柴が俺に足をついて立っていて。

柴……。

つぶらな瞳で俺を見つめながら、まるで笑っているかのように口角を上げて舌を出す。

よいしょ、っと。

俺はひょいっと黒柴の脇に手を差し込んで抱き上げた。

赤ちゃんを抱っこするように抱けば、スリスリと体温を求めるように擦り寄ってきて。

可愛い……。

昔も、あの小さな柴犬を抱き上げたら、こんなふうに擦り寄ってきたんだっけ……。

あのときはまだ俺も小さかったから、抱き上げるのに苦労したけど。

あいつ、こんなに小さかったんだな。

あの頃以来あの柴犬を見ていないけど、今なら結構なおじいちゃん犬になってるだろう。
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