ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
ほんと、今日はなんだかおかしい気がする。

「……で、どこを教えたらいい?」

「あぁ……勉強してて分からないところがあったら聞いてもいい? パッと思い浮かばなくて……」

「分かった」

そういうなり、桜川はすぐさま教科書と参考書を広げて勉強を始めた。

桜川は勉強スイッチが入れば、すぐに集中して勉強が(はかど)るタイプ。

何事にも本当に真面目。

逆に気を張りすぎて、体を壊しかねないんじゃないかと心配するほど……。

俺はそんな桜川を横目に、そっとIT関連の本を開いて自分の受験勉強を始めた。

……──────────

シャーペンがノートを滑る音。

本のページをめくる音。

俺と桜川の間に流れるのは沈黙だけ。
< 826 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop