ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
1年前の時のような余裕のなさは微塵も感じられない。

戸惑うことも無く、流れる私の涙にそっとキスをおとす依織くん。

私が好きになった依織くんは、こんな人じゃない……。

カッコよくて優しくて、ヒーローみたいな人で──────────

「転校したての恋々愛を寮に連れ込んで住まわせるなんて、とんだクズだな」

こんな風に人の悪口を言う人じゃない……。

「違う……!」

優羅くんたちはクズなんかじゃない。

転校したてで何も分からない私に、女子寮に入れなくて落ち込んでた私に、優しくしてくれた。

『一緒に暮らそう』

優羅くんのその言葉がどれほど私の心を救ったか。

『ありがとう』
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