ワケあり女子高生、イケメン生徒会と同居します。
止まることを知らない涙は、とめどなく流れてシーツを濡らしていく。

胸の中にはなにか温かいものがじわぁっと広がっていって。

みんなと会えただけで、こんなにも幸せ。

嬉しくて嬉しくてたまらない……。

「ん……」

あ……っ。

視界の端でふわっと揺れた赤髪。

右手に感じていた重みが徐々に軽くなっていく。

優羅くん、起きたのかな?

ゆっくりとふわふわの赤髪は上がっていって、やっと優羅くんの顔が見えた。

眠そうに目をこすっている優羅くんらしいその姿に、ホッと安心する私。

やっぱり本物なんだ、現実なんだと実感して嬉しいんだ……。

優羅くんが起き上がっても、まだ重みがある右手。
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